近くで見る三沢さんの試合は、メインに相応しい激しいものが多かった。頭から落とすような危険度の高い技も、その天才的な受身の技術で大怪我を回避していた。しかし首へのダメージは相当なものであったと思う。
それは試合後の舞台裏が証明している。三冠戦の行なわれた武道館の控え室では、試合で詰まった首を抜く荒治療が待っているのである。
なんと120キロはあろうかという巨漢の整体師が、三沢さんの首にタオルを巻きつけ、渾身の力で首を引っ張るのだ。三沢さんの体が動かないように、僕や丸藤選手が押さえ役となり、体の上に乗ったりした。
この作業は、もはや三冠戦後の恒例行事となっていた。ここまで体を張り、壮絶な試合を繰り返していたのである。